御湯神指し 長崎諫早市 : 麻袋の網目の隙間から見た火柱part1『とうとうここまで来たか』

ベストパワーランド~いのちのサウナ~

長崎県島原半島の釘山の山頂にある。

九州特有の抹茶色の山を抜け、案内の看板があるので分かりやすい。

昭和の保養所のような外観。入口を入ると古い体育館の様だ。

受付でスタッフの方に初めてと伝え説明を受ける。

このスタッフは絶対に魔力というかそういう力を持っているだろうと直感する風貌。70代だろうか引き締まりまくった体躯。

流れるようなセリフでのコースの説明。目の輝きが尋常ではない。機敏な動作で私の手首を掴みロッカーへ引きづる様に案内してくれた。かなり強引。

実は前日宿泊した武雄温泉のサ室で話しかけてくれたお姉様に九州旅最後はベストパワーランドに行くことを伝えると「あー、あそこはねぇ。まぁ、行ってみるといいわよ。私はおすすめしないわぁ。」とイケズな返答だった。

なるほど自分で色々コントロールしたい人にとってはこの魔法空間(それもスタッフの言う事は絶対)は居心地悪いだろうと察する。

 

異空間とかアウェイ感とかそんなものを大いに感じながらシャワーで洗体し内湯で温まる。浴槽は温かい浴槽と冷たい水風呂が同じくらいの大きさである。水風呂は3回目のサウナが終わってから!とプレッシャー抜群の張り紙があるので、手で温度を確認する。ぬる湯くらいの温度。

いつもとは勝手が大きく違う。そして大きな窓が開いていて外へと通じているようだ。スリッパもある。

覗いてみるとまさかの便器!二畳以上ある縁側の様な所に突然のトイレ。開放的が過ぎる。異空間。魔空間。

理由や意味は探さない方が良さそうだ。浴室を出てバスタオルを巻き、(サウナ入口 ノックしてお待ちください)と書いてある扉を叩く。「ちょっと待ってー。」と女性スタッフの返事。

暫くすると「女性どうぞー」と。扉を開けると火柱がゆらゆらと見える。そして真っ暗。

スタッフに初めての旨とロッカーナンバーを伝える。

ナンバーを付箋に書き、年季の入ったタイマーに貼り付けていた。

メタルギアソリッドと言うゲームで敵が出てくると‼️のマークが出るのだがそれと全く同じ状態になった。

だってまた魔女が居る。もしくはエボシ御前。キャラ濃過ぎ。強すぎ。

ルールや勝手を知らない新参者に飽き飽きしている様子。

初めてなの?もー!今日はクタクタよっ!と言われ、恐縮。

ここで開いた麻袋を、被せられる。

ミノ?2mくらいと長い。懐中電灯で強めに案内されてドームの中の火柱の横まで来る。

ドーム内は薬石と言われる麦飯石を積み上げて造られている。

真ん中は少しくぼんでいてそこで松の木などが勢い良く炊かれ、室内は80~90℃だという。

ここに横になって!と懐中電灯を振られる。

麻の盛り上がりが沢山あって時代劇では川沿いに死体が多数ある様な光景。

男か女か分からない麻袋の横に見えないながらも恐る恐る横たわる。

「横山さーん!時間よー」とどこかに居る横山さんが時間になったようで呼ばれた。

高温で10分耐えられるか心配だったが思ったより大丈夫そう。

岩盤浴程度の温度。

麻袋の網目から覗く火柱の神秘的なこと…

フィンランドや長野ではサウナの神様トントゥに会えたが、ここの神様はなんだろう…

あったかの神、大熱神。あぁ私もここまで来たか…とよく分からない感情になった。

そして時間になったようで呼ばれ、暗がりを立ち上がる。

け、煙いっ!慌てて腰を低くして出入口へ。

「シャワーで身体を洗って水分取ってね」と今度はちょっと優しく声をかけられて貰えた。

麻袋を脱ぎ、女性浴室へ戻ると体がススだらけ。

香ばしい香り付きだ。シャワーを浴びて内湯で温まりでも水風呂は我慢。

水分(天然自然水だそう)を取って休憩。2ラウンド目も同じ様に繰り返す。

 

次回は燻製コースへ…

 part2へ続く。